SORA-IRO(そらいろ) 福岡市近郊/久留米・筑後地域 子育てを楽しむ親子のコミュニケーション応援フリーマガジン

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コラム・アイズアイズ

子どもの安全を考える

「不審者がいる!」大通りから少し入った小さな公園でその事件は起こりました。平日昼間、いつもは近所の親子しか来ない公園のベンチに、中年男性がずっと座っていました。警察に通報すべきか!となったところで、遠くから「先生?!」という子どもたちの声。それに応じる不審者…ではなく学校の先生。そうです、小学校の遠足の途中で、先生が休んでいただけなのでした。

現在、不審者対策は、全国で行われています。子どもを持つ親としては、子どもが被害にあった事件は、人ごとではありません。私自身も、2児の父として、そのような報道を耳にすると、本当に嫌な気分になりますし、不安を感じます。多くの方が、最近はこういう事件が多くて嫌だなと不安を感じているのではないでしょうか?

ところが、実際は子どもが狙われる事件は、減っています。小学生以下の子どもが殺される事件は、30数年前には400件でしたが、平成19年にはわずか100件です。しかも、その8割以上が、親族や面識のある人の犯行です。面識のない人に子どもが殺されるケースは年に数件しか起きていません。また、強姦被害なども激減しており、実際には「不審者」による被害はほとんどありません。

子どもの死因の第一は、不慮の事故、つまり交通事故や転倒・転落、窒息などです。つまり、不審者対策より、交通安全や、身の回りの危険の排除など、子どものことを考えた環境作りがずっと大切です。知らない人を見たら不審者として疑うような社会でなく、知らない人同士が協力し合って子どもを安全に育てる社会を作ることが大切なのです。

私の近所では、通勤時間になると小学校前の路地を車がものすごいスピードで走り抜けていきます。いつもヒヤヒヤしながら、その道を通ります。地域で不審者対策をするよりも、地域で安全運転を推進することのほうが、よっぽど多くの子どもの命を守ることにつながるのではないでしょうか?

 


著者:若尾 良徳さん

浜松学院大学
現代コミュニケーション学部
准教授

1974年生まれ。専門は発達心理学、青年心理学で、中でも若者の恋愛の研究がメインテーマ。大学では子どもコミュニケーション、乳幼児の発達心理についても教えている。2児のパパでもあり、子育てと研究にのんびりと格闘している。浜松市在住。
若尾良徳サイト:http://wakaoy.com/