SORA-IRO(そらいろ) 福岡市近郊/久留米・筑後地域 子育てを楽しむ親子のコミュニケーション応援フリーマガジン

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コラム・アイズアイズ

重症児も地域の中で生活を

小児科医院に併設したアルカディア・キッズ・センター(AKC)という福祉施設で障害児保育をおこなっています。ここに通ってくる子ども達は、生まれつき喉に障害があって気管切開をしたり、嚥下困難のため、腹壁から直接胃に管を入れたりしています。そのため数時間毎に喉に開いた穴から痰を吸引したり、胃に入れた管からミルクを流したりしなければなりません。こういった医療的ケアが必要な子ども達が地域の保育園や学校にいくことは、たいへんむつかしいのです。それらは、家庭では生活の技術として日常的に母親が普通におこなっている行為であるのに、医師や看護師のような専門職だけに許された行為だと一般には思われているからです。  

AKCに通ってくる子ども達をみていると、発達の遅れはあるでしょうが、その喜びや驚き、悲しみの感情は周りの私達と同じです。

私達と子ども達は、よく近くの保育園や公園、コンビニにもでかけます。そこでは、店の人や子ども達が興味をもっていろいろ話しかけたり、寄ってきたりします。帰りはいっしょにバギーを押してくれたりもします。  

最近東京で、気管切開した子の市立保育園入園をめぐって裁判で争われ認められたというニュースが流れました。以前AKCにも同じような子がいましたが、地域の保育園の園長先生に理解があり、現在元気に通園しています。結局は熱意と愛情があれば、可能なことではないかと思えます。 

 

障害児が幼い時期から地域で生活することで、いろいろな子がいることを皆が知れば、むつかしそうに見える医療的ケアの問題もそれほど高いハードルではなくなるのではないでしょうか。また均一化した今の子ども社会に様々な子がいることで、弱者にも目が行き届き、現在深刻な問題となっているいじめの予防にもつながっていくのではないでしょうか。 

 

 

 

著者:福田 清一さん

福田こどもクリニック院長
アルカディア・キッズ・ センター長

聖マリア病院新生児センターに25年間勤務、重症新生児の治療とフォローアップに従事した。平成16年3月、久留米市宮ノ陣に小児科医院を開院、同時に障害乳幼児のための児童デイサービス施設を開設、母と子のいつでも安心クリニックをモットーに医療と福祉を実践している。